INTERVIEW

広報活動を数値化して、PRの価値を高めたい
レバレジーズ株式会社「PR Analyzer」導入事例インタビュー

レバレジーズ株式会社 広報部 吉田ハルカ
医療ベンチャーPR、フリーランスPR/ライターを経てレバレジーズへ。エンジニア領域の広報活動を経て2017年に広報部を立ち上げる。グループ全体の広報体制・基盤を整え、現在はコーポレート、サービスに関する社外広報/PRを統括。業務外では広報PRパーソンのべ600名以上が参加するコミュニティ「広報LT大会#PRLT」の代表を務める。

ビルコム株式会社のクラウド型PR効果測定ツール「PR Analyzer」。2018年5月末時点で累計60ブランド以上に導入いただいています。

人材関連事業やメディア事業、M&Aアドバイザリー事業などを手がけるレバレジーズ株式会社(https://leverages.jp/)さまもPR Analyzer導入企業の1社です。

 

今回は、レバレジーズ流PR効果測定の考え方やPR施策、PR Analyzerを導入いただいた経緯や導入前後の変化などについて、同社広報部の吉田ハルカさまにお話を伺いました。

(取材・執筆:池田園子)

「1歳」を迎えた広報部

現在、広報部はどんな体制ですか?

広報部ができたのは2017年4月と、ちょうど1年すこし前です。執行役員である広報部長の下に、私がついた2名体制です。弊社では社外広報と社内広報を分けており、私はコーポレート広報、採用広報、サービス広報の統括といった社外広報を担当、社内広報は人事部付けで1名が専属で行っています。

 

グループ全体で社員数700名以上、売上300億円ほどの規模ですが、2016年度までレバレジーズには広報専任の人はいなかったんです。私自身も最初は新規事業部配属で特定サービスのPR業務がメインでした。ただ仕事をしていくうちに社内唯一の広報実務経験者として徐々に様々な事業部や会社全体を巻き込んだ案件を引き受けるようになり、独立した広報部を作ろうと打診しました。

 

事業部が多いわりに広報メンバーが少ないような……?

各事業部にサービス広報を1名ずつ置いています。広報専属だったり、営業やマーケティングなど別の職種と半々のリソースで活動していたりする人など、事業の広報課題や注力フェーズにより様々です。現場目線でPRメッセージや施策を出してもらう他、ユーザーやクライアント取材時のアテンド、業界知識を活かし業界専門誌の取材対応などをお願いしています。広報部を作った最初の1年間で整えたのが、このサービス広報の体制でした。

 

広報部はサービス広報と密に連携して、全社的なメッセージを鑑みてディレクションしたり、施策を一緒に考えたり、お知らせの発表手法決めから日時調整をしたりしています。

 

基本的には案件に応じてミッションを決めていますが、参考値としてSNSの波及数やはてブ数、いいね!数、問い合わせ件数、広告換算費などを見ながら業務を進めています。

 

 

中の情報を外に、外の情報を中に

PR Analyzerを導入いただいたのは2017年12月でした。導入するまでどんなことを課題に感じていましたか?

自力ではすべての記事を拾いきれないこと、競合他社の情報をなかなか知れないことが主な課題でした。

 

マーケティングを内製化したオールインハウスの組織体制なので、はじめは担当者に必要な情報を集めたり、数値化したりしてもらおうとしていました。でも、彼らのリソースを使ってしまうのが気になっていたんです。外部ツールで解決できるのであれば、彼らにはもっと別の業務に専念してもらいたいと、ツールの導入を検討するようになりました。

 

もうひとつ、広報は“外”の情報を“中(社内)”に伝えることも仕事です。競合の情報を社内に共有することで、中で新たな施策を効率よく立てることができます。情報シェアは小さな業務かもしれませんが、こういう日頃の行動からも今以上に「会社と社会の架け橋」になっていきたいと思いました。

 

おそらく、いくつかの効果測定ツールを使用して、比較検討されたと思います。PR Analyzerを選んだ決め手は何でしたか?

最大の理由は、試したツールのうち唯一、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌……4大マスメディアに対応していたからです。Web記事のクリッピングサービスはたくさんあるのですが、媒体に限らず影響力の高い情報が自社含めどんなタイミングでどう広がっているかをキャッチできるのはとてもありがたいです。

 

費用対効果も良いと感じました。弊社はIT、医療、介護、若年層、障がい者、M&A、海外と、多角的なにサービスを展開しています。そのぶん拾わなければならないキーワードも多く、ベースとなる費用は安価でも従量課金制だと厳しいなと。月額固定金額内で、自社に関連する調べたいキーワードを好きなだけ拾えるPR Analyzerはとても魅力的に映りました。

手作業の業務がぐんと減った

気に入っている機能はありますか?

いろいろありますよ。たとえば、掲載記事の論調がポジティブなのかネガティブなのか自動で判断する「論調分析」はいいですよね。

 

Aがポジティブ、Bがニュートラル、Cがネガティブという分類なので、もしCが付いたらアラートとして受け止めて、危機管理、危機対応しやすいのも安心です。自社に関する記事であればもちろんですが、他社の記事でも業界にネガティブイメージが走る合図になるので。

 

先ほど挙げた、競合他社の状況がわかる機能もとても優れています。6つの指標で競合企業の露出状況をグラフ化できるんです。弊社の掲載データと競合のそれとを比較することで、PRを仕掛ける最良のタイミングを狙っていけます。

 

とくに重要視しているメディアに記事掲載されるとチェックマークが付く「重点媒体」も助かっています。膨大な記事を追いかけるだけで時間がかかるので、チェックする記事の優先順位を決められるのはありがたいです。

 

また、媒体別の掲載数や広告換算費、重点媒体、論調分析、ウェブ記事のソーシャルメディア波及数、記事内容分類、時系列比較と7つの項目で広報効果を多角的に測定できるので、施策を考える上で視野が広がりますし、手作業で実施する業務も減らせました。

 

 

記事掲載は質と量、両方で見る

効果測定はどのように行っていますか?

PR Analyzerとあわせて、メディアでの報道の成果を見える化するため、オリジナルで作った「パブリシティスコア」を活用しています。記事掲載の質と量を両方評価できるようにする狙いがありました。

 

パブリシティスコアについて、少し詳しく教えていただけますか?

シンプルに言うと、報道の中身をスコアリングするというものです。約10社にPRの効果測定をどうしているかヒアリングし、そこで得た情報を参考にして作成しました。

 

メディアごとに独自のスコアを付けており、それと報道内容に関する7つの評価項目とをかけ合わせ、各記事の点数を算出します。掲載内容の評価項目は、例えば伝えたいメッセージがどれぐらい盛り込まれていたか・ポジティブな論調だったか・社長などキーパーソンのコメントがどれだけ入っていたかといったものです。
パブリシティスコア 参照)きよしのぶろぐ 「広報の効果測定方法に奮闘している話」

 

事業のフェーズに応じて年度単位でこの点数を前年度◯%にする、といった形で年度目標に落とし込みます。すべての掲載データをスコアリングし、なぜ上がったのか、なぜ下がったのかを検証し、PDCAを回しています。

 

 

事業へインパクトをもたらした施策

最近、全社的に話題になった施策はどんなものでしたか?

2月15日、弊社でM&A支援事業「レバレジーズストラテジックM&A」(*)の提供開始を発表する記者会見を開きました。

 

*インターネット/Web、ソフトウェア領域で事業を展開するIT企業を対象とし、事業や株式の譲渡・譲受を希望する企業の経営者に適切なM&A仲介とアドバイスを行うサービス。投資対象事業・企業のリスクとリターンを適正に把握する調査「デューデリジェンス※」や価値評価もして、M&Aに関する相談から最終契約に至るまでをワンストップで提供。
http://leverages.jp/news/2018/021501/

 

新聞、Web系の媒体が計7メディアが来てくださいました。各媒体で大きく取り上げていただいたのですが、とりわけインパクトがあったのは、当日夜の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)にて、「株式上場はもう古い? ITベンチャーでM&A急増のわけ」として放送されたことです。

 

10分間、単独で取り扱われていましたね。

はい。実は前日も1日がけで事業責任者を密着してもらっていたのですが、放送が決まったと告知した途端、社員が積極的にシェアしていきました。各々が周囲から「すごいね」「意義のある事業をしてるんだね」と言われたようで、幸せな気持ちになった社員も多かったようです。社員の家族や友人たちも喜んでくれたというのは1つの達成感を感じた出来事でした。

 

PR Analyzerでは、記事・番組ごとのリーチ数を自動算出できます。放送により、約65万人にリーチし、直後からお問い合わせも30〜40件いただきました。事業へのインパクト(数字)はもちろん、目に見えないインパクト(社員にとっての喜び)も両方あった好事例だったと思います。

 

 

PRの価値を伝えたい

社内外でポジティブな変化が生まれたのは素晴らしいですね。

広報は孤独だと言われますが、自分ひとりでしている仕事は、ひとつもないんです。プレスリリースを1枚書くにしても事業部から話を聞く必要がありますし、取材対応にしても、ユーザーさんやクライアントさんに応じてもらうこともあるため、営業から声がけしてもらう必要があります。

 

そのため常にいろいろな部署や社員とリレーションをとっていますが、その度に快く応じてもらえるので助かっています。全員でPRチームを形成するような環境の中、広報活動を通じて結果を出して、皆で喜べるというのは、本当に嬉しいことですね。

 

最後に、吉田さん個人が目指すPRとは。

広報PR活動ってどうしても数値化できない部分が多いんです。それゆえにがんばりや成果が周りから評価されにくい。経営に密にかかわるポジションでもあるのに。

 

単純な記事掲載数や掲載された事実は会社や事業にとって上辺の評価であり、エゴでしかありません。メディアリレーションはPR活動のほんの一握りでしかないので、それで評価される、満足するのも良くないと考えています。だから何かしらの形である程度定量化する必要があるし、そのメディアリレーション自体ももっと別の評価軸があるはず。そう思ってオリジナルの指標を考え続けています。

 

定量化が本質的だとは思いませんが、PR Analyzerのようなツールを活用してデータをすくい上げ、ある程度の定量化を通じて、PRの価値を社内外に伝えていきたいなと考えています。

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