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2025年12月15日
PRトレンド

【広報効果検証】大阪・関西万博「ミャクミャク」のSNS波及プロセスを徹底分析

2025年に開催された大阪・関西万博で、ひと際注目を集めた公式キャラクター「ミャクミャク」。閉幕した今でも愛される存在ですが、発表当初の世間の反応は「不気味」や「怖い」といった、ネガティブなものであったことを覚えているでしょうか。

なぜ、ミャクミャクはこれほどまでに評価のV字回復を果たせたのでしょうか?

その背景には、現代の広報活動に不可欠な「SNS文脈の理解」と、それを裏付ける「データ活用」のヒントが隠されています。本記事では、広報効果測定ツール「PR Analyzer」のデータをもとに、ミャクミャクの話題化プロセスを定量的に検証。そこから見えてきた、企業が実践できる「ネガティブをポジティブに変える戦略」と「広報成果の可視化手法」について解説します。

 

 

データで検証:ネガティブ発進から「愛されキャラ」への軌跡

当初の「不気味」という評価は、どのように変化していったのでしょうか。「PR Analyzer」を用いて、2024年8月から2025年8月までの報道とSNSの動きを分析しました。

 

 

開幕を機に「論調の質」が向上

記事掲載数の推移を見ると、2025年4月の万博開幕時に大きな山ができていることが分かります。また、注目したいのが「質」の変化です。 開幕前後で報道データを比較すると、開幕後はポジティブな論調の記事が全体の約4割を占める結果となりました。

 

 

SNSでの「熱量」の変化

Web記事のソーシャル波及数(記事がSNSでどれだけ拡散されたか)を見ると、開幕後はポジティブな投稿がシェアされる傾向が強まっています。
SNS言及数: 約73,310件(2024年8月〜2025年8月)

 

 

総波及数(インプレッション): 推定337万人以上

この数字からは、来場者のリアルな体験投稿が熱量の高い波及を生み出し、好意的な空気を醸成したことがうかがえます。

 

 

「共起語」と「波及記事」から見る要因分析

具体的にどのようなトピックが話題を変えたのでしょうか。

開幕前:ネガティブな話題が拡散

 

開幕前のWeb記事ランキング(SNS波及数順)では、ネガティブな記事が上位に入っています。

 

開幕後:ポジティブな体験とグッズ人気

 

 

一方、開幕後は「ミャクミャクグッズ」や「流行語大賞選出」といった明るい話題が拡散されています。 また、Xでの共起語(同時につぶやかれた言葉)ランキングでは、「様」や「さん」といった敬称をつけて呼ばれていることや、「プレゼント」というキーワードがランクイン。 企業や自治体による「ミャクミャク号」やグッズのプレゼントキャンペーンが、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出に大きく寄与していることがデータから読み取れます。

 

 

ネガティブを「個性」に変える、広報戦略3つのポイント

ミャクミャクの事例は、初期のネガティブな反応をチャンスに変えるための示唆に富んでいます。

1. 否定せず、意味を「再定義」
当初の「怖い」という声を、公式は決して否定しませんでした。その結果、SNSコミュニティの中で「キモかわいい」という新たな解釈が生まれ、ネガティブな言葉の意味がポジティブに再定義されました。 自社製品への批判に対し即座に反論するのではなく、「ユニークな個性」として受け入れる姿勢が、アンチをファンに変える第一歩です。

2. ファンが遊べる「余白」
ミャクミャクのデザインやキャラクター設定には、二次創作や大喜利を受け入れる「余白」がありました。「ミャクミャク様」という神格化も、この余白から生まれたファン主導の文化です。 ブランドメッセージを100%作り込むのではなく、生活者が入り込める隙を作ることで、エンゲージメントを高めることができます。

3. 公式サイトが「応援団」になる
二次創作ガイドラインを制定し、ファンの活動を公認・推奨したことも大きな要因です。公式が寛容なスタンスを示すことで、ファンとの信頼関係が築かれ、「#こみゃく」などのハッシュタグを通じたコミュニティ形成が加速しました。

 

 

広報活動を「勘」から「科学」へ。成果を証明する分析手法

今回の事例のように、広報活動の成果は「なんとなく盛り上がった」で終わらせず、データで可視化することが重要です。 従来の広告換算費だけでは見えない事業貢献度を測るため、以下の3つの視点で「広報の健康診断」を行いましょう。

視点1:定点観測による現在地の把握
記事の論調やSNSの反響を定期的に測定し、自社が世間からどう見られているか(ブランドの健康状態)を客観視します。

視点2:データで見る相関関係の発見
「テレビ露出後にサイトアクセスが増えた」「新聞掲載と指名検索数が連動した」といった相関を見つけ出し、広報活動と事業成果の因果関係を証明します。

視点3:次の打ち手の仮説構築とKPI設計
データから得られた相関関係をもとに、次はどのメディアにアプローチすべきかといった仮説を立てます。KPIを「アクション」「アウトプット」「アウトカム」に分解して設定することで、ボトルネックの特定と改善が可能になります。

 

 

勘や経験に頼る広報から、データに基づく戦略的な広報へ。 まずは自社の現状をデータで把握することから、次の一手を考えてみてはいかがでしょうか。

 

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※本記事は、ITmedia ビジネスオンラインに寄稿した記事『「不気味」から「かわいい」へ ミャクミャクがアンチをファンに変えた理由』を元に、再構成・加筆したものです。

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